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オーガニック

フェアトレード、オーガニックと児童労働

学校に通わず母の手伝いをする子ども (筆者撮影)

使う人も、作る人にも、環境にもよいモノづくりを

私たちにとって身近な布であるコットン。生まれてすぐに下着として身に着けてから、洋服、バック、シーツなど長く私たちの暮らしとともにある繊維でもあります。FCIでは、第三者機関による国際認証を取得したフェアトレード&オーガニックのコットンにこだわって製品をつくってきました。そのモノづくりの現場を少しご紹介します。

作り手も環境も守るオーガニック

製品のもととなる綿花が栽培されているのは、インド中部。インドは世界でもトップクラスの綿花の栽培地で、オーガニックコットンの生産量は世界最大の国でもあります。虫のつきやすいコットンを安くたくさん栽培するためには、大量の農薬を散布する必要があります。そのため、使用時に直接触れたり、吸い込んだりすることによる健康被害や、やせてしまった土地にさらに農薬をまくことによる環境破壊の問題を生んでいます。

また農薬購入のための高利の借金を、収穫後の取引価格の変動の激しさのために返せず、自殺してしまう農家の方も少なくありません。オーガニックコットンは肌触りの良さなどで知られていますが、農薬を使わずに畑の本来もつ力を生かしながら栽培することは、作る人の健康や働く環境を守り、自然の生態系も守る理想的な栽培方法ともいえます。

児童労働をなくすために

綿花は、紡績され、織布された後に、裁断されて、縫製工場で製品になります。縫製を手掛ける北インドの工場は創業85年あまり。労働環境や賃金などがフェアトレード国際基準に沿って整えられているため、離職率が低くキャリアの長い職人も多く、高い意識と技術を持って、モノづくりに励んでいます。

factory

インドはもっとも児童労働が多い国の1つと言われています。安い賃金で働かせることができる子どもたちは使用者にとって都合がよく、家庭でも稼ぎ手として期待されるために、学校に行きたくても通うことができません。精神的・肉体的な負担はもちろん、適切な時期に教育を受けられないことは、貧困の連鎖を生みます。フェアトレードの基準を遵守すれば、労働の対価として適切な賃金が支払われるため、1人あたりの賃金が上昇し、結果的に児童労働の減少につながります。

そのうえ、価格競争だけに巻き込まれることがなくなることから、生産者が提供できる製品や原料の質もあがるのです。また、フェアトレードの仕組みでは、取引価格を安定的にするだけでなく、フェアトレード・プレミアムと呼ばれる奨励金も支給されます。これは地域の組合等を通じて適切に管理、活用され、灌漑施設や学校の整備のみならず生産者や労働者のトレーニングのためにも使われています。

モノづくりでつながる

使い手、作り手の暮らしがモノづくりによって緩やかにつながり、ともに豊かになっていくものであったら。そしてそれが環境にも優しく持続可能なものであったら。フェアトレード&オーガニックに取り組むことは、使う人にも、作る人にも、環境にもよいモノづくりの挑戦でもあります。

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