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フェアトレード

【フェアトレードとは?】「FAIRTRADE」と「Fair Trade」の違い

画像:認証製品に付与されるFCIの織ネーム

フェアトレードを簡単に言うと

みなさんは「FAIRTRADE」と「Fair Trade」の違いを説明できますか?「フェアトレード」とは、発展途上国の原料や品物を適正な価格で買うことにより、立場が弱いとされる生産者や労働者を守る貿易の仕組みをいいます。

貧困対策、児童労働の削減、環境の保護など、世界が直面している課題解決に寄与するとされています。

「FAIRTRADE」と「Fair Trade」の違いについて

欧米諸国で「フェアトレード」といえば「国際フェアトレード認証」による「FAIRTRADE」を指します。

世界では1兆2,776億円ものフェアトレード製品が販売されています。一方、日本のフェアトレード認証製品の市場規模を見てみると、驚くことに158億円しかありません。(出所:フェアトレード・ラベル・ジャパン プレスリリース2022年5月)

日本において「フェアトレード」は拡大しているものの、先進国で最下位となっています。

GDP世界第3位の「おもてなし」の国、日本でそんなに低いのは意外だという印象を受ける方も多いと思います。日本人は「公平」や「公正な社会」を支持しない国民性なのでしょうか。「フェアトレードっていろんなところでよく見かけるよね」とも聞きます。

でもなぜ最下位なのでしょうか。その理由としていくつか挙げてみます。

日本で普及してこなかった理由は?

その1つは日本で販売されている「フェアトレード」商品は「FAIRTRADE」商品でないことが多いからです。カタカナで書いてしまうとどちらも同じですので日本では意識されてきませんでしたが、欧米では明確に区別されています。

以下わかりやすく説明したいと思います。

​日本では欧米諸国と異なり「Fair Trade(フェアトレード)」製品が多く流通しています。主に専門店などで独自に基準を設けて販売している商品です。この売上は上記の統計には反映されません。また一方どこのどの部分がどういうふうに「フェアトレード」なのか、「本当に生産者の役に立っているの?」という疑問から購入をためらう消費者もいます。実際に生産者とどのように基準を定めているかが消費者に見えにくく、フェアトレードと謳って販売していても本当は違うのではないかという印象になっているのかもしれません。​「FAIRTRADE」商品にはマークが付いていますし、しかも国際基準ですのでそうした疑問はありません。「フェアトレードインターナショナル」のウェブサイトを見れば貢献度が具体的な数字でわかるからです。

フェアトレードは高い?

次に多いのが「高すぎるよね」です。欧米の大企業が取り組んでいる国際フェアトレード認証商品の価格は一般的な商品と大きな価格差はありません。いくら貢献したくても「フェアトレード=かなり高い」では売れません。各企業は適正価格で販売するよう心がけています。例えばスターバックスのイタリアンロースト(フェアトレード)コーヒーは他のコーヒーと同じ値段です。​​

最後にアパレル製品のケースで特に目につくのが、「オーガニックコットン」を使用しているだけで、「フェアトレード」商品と謳い、一般の商品よりかなり高い価格で販売しているケースです。「オーガニックコットン」と「フェアトレードコットン」は関連がありません。購入の際は特に注意が必要です。商品にフェアトレード認証ラベル(マーク)がついているか、ぜひ確認されることをおすすめします。

チャリティーとどう違う?

​フェアトレードはそもそもチャリティー(募金)ではありません。商品そのものがフェアトレードでない場合などは募金を上乗せすることでフェアトレード的な商品として販売する、いわゆる「コーズマーケティング」を行っているケースもありますので混同されている方が多いのも事実です。

フェアトレードは生産者・労働者の自立を支援する仕組みです。継続的に買い上げてもらうために、彼らは日々切磋琢磨して良質な製品をつくる必要があるのです。働かなくても募金がもらえるのであればそもそも働く必要はありません。フェアトレードはむしろ「働く人」を応援しているのです。

オリンピックとフェアトレード

ロンドンオリンピック・パラリンピックでは国際フェアトレード認証が調達基準になったことで「世界初のサスティナブル大会」となりました。大会開催前のイギリスのフェアトレード市場規模は約900億円でしたがロンドン大会時には3倍以上の約3,000億円にまで飛躍しました。

​例えば食品の場合は可能な限り国産品を使用するのですが、国内で調達できないコーヒーやバナナなどは「国際フェアトレード認証」された食品のみ提供を許可する、というものでした。つまり国外から調達する場合のサプライチェーンは特に見えづらく、国際認証を取得したものを調達することで安心・安全を担保しました。五輪で使用されるものはすべて環境破壊や搾取、児童労働によってできた物とは無縁であるべきだからです。

実際ロンドン大会では選手村や食堂で国際フェアトレード認証のコーヒー約1,400万杯、紅茶約750万杯、そしてバナナ1,000万本、ワイン220万本などが提供されました。​その後ロンドン交通局では「国際フェアトレード認証コットン」を約10万人以上の職員の制服に採用しています。このように企業だけでなく自治体においても急速に導入が進んでいます。東京2020大会においても「国際フェアトレード認証」を調達スキームとして採用しました。

​まとめ

いかがでしたでしょうか。フェアトレードがなぜ必要かおわかりいただけたかと思います。みなさんが普段何気なくつかっているバッグTシャツなどをフェアトレードに切り替えたり、現在フェアトレードとして販売されている他の商品を国際認証商品に切り替えるだけで日本での市場は大きく拡大できるのです。まずはできることから始めてみてはいかがでしょう。

当社は2014年の設立からこれまで、多くの企業や自治体と協業し、「国際フェアトレード認証」商品の日本への普及を推進しています。

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