おかげさまで10周年を迎えました

ご挨拶

日本初となる「フェアトレードコットン」を自ら立ち上げてから10年

「国際フェアトレード認証」コットン製品の日本初上陸へ

私自身、日本初の「フェアトレードコットン」を立ち上げて、今年で10年になります。当時はスタバのコーヒーがフェアトレードであることは何となく知られていましたが、製造工程の複雑なアパレルではハードルが高く、国際基準での認証製品の製造は困難と言われていました。もちろんまだSDGsもない時代です。「フェアトレードコットン」で検索された際に当社がトップにリスティングされていることもこうした背景からです。私は当時米国アパレルブランドの企画製造部門の責任者をしていた経験から、なんとか欧米のようにフェアトレードで作れないか、と試行錯誤していました。南米などいくつかの候補地をまわり、やっとインドで綿花から製品までのフェアトレード&オーガニックサプライチェーンの構築にたどり着きました。こうしたキャリアから、当社は比較的高価格の百貨店向けアパレルブランド製品から、低価格の販促グッズまで幅広く展開しています。

すべてが「フェアトレード」であるために

日本で初めてのフェアトレードコットンのローンチ以来、つくり手(生産者)と、買い手(消費者)をつなぎ、フェアトレードで世の中を良くしようと、本気で挑戦しています。創業と同時に、NTTデータ様にオリジナルエコバッグをご採用いただきスタートした当社。現在では日本を代表する多くのグローバル企業にご参加いただけるまでに成長いたしました。

そうしてフェアトレードコットンが認知されはじめたことで、一般のコットンに加えてフェアトレードコットンの取り扱いを始める業者も出てきています。つまり、児童労働やウイグルでの強制労働により生産された可能性が高い「一般的なコットン」を扱いつつ、「フェアトレードコットン」を新たに取り扱うことでイメージアップを図る、ということです。ここに違和感をもたれる方も多いと思います。当社はフェアトレードのみを取り扱うことで将来のコットンすべてがフェアトレードであるよう、これからもイノベーションを進めてまいります。

「作り手よし、買い手よし、世間よし」

この“三方よし”の精神は、江戸時代から商売の基本原則とされてきました。

フェアトレードはそのまま訳すと“公平な貿易”です。つまり、発展途上国の原料や品物を適正な価格で買うことにより、立場が弱いとされる途上国の生産者や労働者を守る貿易の仕組みをいいます。貧困対策、児童労働の削減、環境の保護など、現在、世界が直面している課題解決に寄与するとされています。

フェアトレードの普及に不可欠なこと

フェアトレードは課題も山積しています。先進国の中でも特に日本は、フェアトレードの市場規模は最下位で、消費者の支持を得られていないのが現状です。

なぜでしょうか。

それは、日本の消費者が必要のないもの、求めていないものを売ろうとしてきたからに他なりません。途上国の生産者が作ったというだけで、市場ニーズとはかけ離れたものを買い上げ、それを日本でチャリティ名目で販売してきた歴史があります。多くの方が、フェアトレード製品は「安かろう悪かろう」という認識であることも頷けます。

このような状況では、1度目は善意で購入したとしても、2度目はありません。継続性がないのです。実際、私が南米の貧しい山岳地帯に出向き織物製品を注文した時のことでした。生産者が私の目をじっと見て言いました。

「1度でなく次回もかならず買ってほしい。継続して買ってくれる人がいないのです。それでは我々は生活できないんです。」

途上国の生産者と継続して取引するためには、企業でも、NGOでもお金という原資が必要です。ものが売れなければ原資が足りなくなります。継続して取り引きができなければ、支援にもならないのです。

わたしたちはお客様の期待を超える、ワンランク上のフェアトレード製品を提供してまいります。

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代表取締役 入江 英明

大手アパレル入社後、米国のブランドに携わる。その後ラルフローレンに移り事業本部長・企画製造部門責任者などを務め、四半世紀に及びグローバルアパレルビジネスの”光と影”をみる。アパレル製品の生産背景に違和感を感じていたときに、フェアトレードに出会い、国際認証によるサプライチェーンをインドで構築し2012年に日本初となる国際フェアトレード認証コットン製品をローンチさせる。国際基準である認証制度を活用したトレーサビリティを重視し、人と環境にやさしい革新的なプラットフォームの普及を目指す。

​文化ファッション大学院大学 特別講師(2016年より)、繊研新聞「繊研教室」執筆メンバー(2015年より)​、いなべフェアトレードタウン会員

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